先日の続き。冶具も完成し、適当に脱脂洗浄したので次の作業に取り掛かる。
まず計測。
バルブセット長は既に基準値ギリギリの値。
Z系は、ガイド入換・シートカットを行うとほぼ例外なくセット長が上限近く~オーバーし、シム調整で苦労することになる。
ステムエンドやキャップ内側、シムを削る事も出来るが、それとて限度がある。
シート当たり面は幅広~狭偏芯が多め。
次、シートリングの抜取。
前述のような状態なので惜しげもなく抜き取る。
抜取後の写真を示す。
Zのヘッドはシートリングが鋳込みなので、削り取る他ない。
リングとヘッド本体の間には油分やカーボン等が侵入している。つまりシートリングを抜かずにアルミ部分のみきっちりした溶接補修をするのは不可能という事。
クラックはプラグ穴半分超まで進行していた。遠からず圧縮漏れ等の不具合が生じただろう。
ヘリサートやスリーブ等で、ネジ山のみを再生する事は可能だが、クラックを生じさせた根本原因=強度不足を解決する事は出来ないし、そのような修理はむしろ周囲の強度を低下させる事になる。
シートリングは9割がた切り粉になってしまったが、抜き取った残骸の写真を示す。
下側がポート側になる。
しっかりエラ張っているので抜き取るにしても容易でない。
クラックが進行しても「シートリングが落ちる事は無い」というのはこの構造を見て頂ければ解ると思う。
(以前立ち読みしたZ系ムック本に「クラック進行によりシート脱落の恐れ・・・」とあり、店頭で悶絶した。)
再度脱脂、溶接下地処理を行い溶接肉盛りの準備。
このクソ暑いのに明日は溶接だ。わーい嬉しいな(棒読)。
21時55分本日の業務終了。以上。
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